ロンドン篇(2)
| ◆ロンドン・ナショナル・ギャラリー (London National Gallery) |
前頁より続く
◇ 洗礼者の首を持つサロメ ◇
現在私たちが思い浮かべるサロメ像は、モローの絵や、オスカー・ワイルド、ビアズリーなどによってもたらされたイメージに負うところが大きい。特にワイルドやビアズリーの「生首に接吻するサロメ」は強烈な印象を与える。そこでのサロメは母ヘロディアの意志に従っただけの娘ではなく、怪しげなベールの踊りにより、自らの意志で首を望んだ妖婦(古いよね〜、この表現(^^;)として描かれる。
だが、CARAVAGGIOは聖書に基づいた、先駆的な宗教画の様式を踏襲している。構図的にはルイーニの作品の影響を見ることができよう。
![]() ウェイデン(Rogier van der Weyden) St John Altarpiece (右パネル) 1455-60年頃 樫板に油彩 77 x 48 cm ベルリン国立絵画館 所蔵 |
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![]() ルイーニ(Bernardino Luini) Herodias 1527-1531年頃 板にテンペラ 51 x 58 cm フィレンツェ ウフィツィ美術館 所蔵 |
| ベルリンで観た時、私の持っていたサロメ像が揺らいだ。そうか、サロメはヘロディアの傀儡だったのだ...と聖書記述に立ち戻った作品。 なんだか、厭そーな顔のサロメだ。奥の上段にはヘロデ王とヘロディアが居る。「ママが欲しいと言ったんだからぁ..」というところか?(^^; |
画題自体が「ヘロディア」なのだ。私としては、サロメではないのか??と疑問に思った作品。当時は、首を望んだ=ヘロディア=サロメ同一視もあったようだ。「どちらを描いたのかは画家でないとわからない」とは、相互リンク先の「えかきのき」さんのお言葉。(参考ファイル) ヘロディアとしたら、「よくも私を侮辱したわね、ふん!」というところだろう(^^; |
![]() カラヴァッジォ(Caravaggio) 洗礼者ヨハネの斬首 1608年 カンヴァスに油彩 361X520cm バレッタ 聖ヨハネ大聖堂 所蔵 |
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![]() カラヴァッジォ(Caravaggio) 洗礼者ヨハネの首を持つサロメ 1609年 カンヴァスに油彩 116 x 140 cm マドリード 王宮(エスコリアル) 所蔵 |
| マルタにある、洗礼者ヨハネの斬首場面を描いた作品。ここでのサロメは普通の少女として描かれている。斬首者の非情なポーズが、洗礼者の死に理不尽さと哀れさを誘う。首から流れ出た血で画家は自分の名を珍しくサインする。騎士ミケランジェロ..。 洗礼者ヨハネの名を戴く聖ヨハネ騎士団の聖堂内祈祷堂に燦然と輝く大作だ。私が対面した時、フィレンツェでの修復を終えたばかりで、その清冽な画面に魅了された。 |
マドリードにあるロンドン作品と同名主題の作品。斬首された首を多く描く画家は、心理的トラウマを持っていたかも知れない。勿論これは憶測だが...。 私のまだ観ていない作品である。ロンドン作品よりも闇が深く、その光とのコントラストが印象的だ。より深い心理劇を想像させる。 |
ロンドン篇(2)の前篇 2002/10/14 UP
◇蜥蜴に噛まれる少年◇