映画「パッション」特別企画
THE PASSION OF THE CHRIST
―メル・ギブソン監督はCARAVAGGIO好き♪―



聖書に基づくイエス・キリストの最後の12時間と復活を描く、話題の映画「パッション」が5月1日から日本でも公開されました。全編アラム語とラテン語という監督の時代考証の拘りとともに、CARAVAGGIOの画風を映像にしたいという野心も盛り込んだ作品でもあります。



ギブソンは…撮影監督、キャレブ・デシャネルに撮影を依頼し、コントラストの強い明暗法と写実描写で知られるイタリアバロックの代表的画家、カラヴァッジョの画風を映像で表現することをねらった。

『カラヴァッジョの作品は非常に美しい。激しさ、暗さ、精神性があると同時に、どこか風変わりな味わいもある。』とギブソンは述べている。

撮影の4割は夜間か、覆いのされた屋内で行われ、闇の中から放たれる光の効果を生み出した。 
   

                  
公式サイト:http://www.herald.co.jp/official/passion/index.shtml



特に、最後の晩餐やキリストの復活のシーンは圧倒的にCARAVAGG的です!

ここでは、映画で描かれた受難の物語をCARAVAGGIOはどう描いたかという観点から、作品を聖書の物語に添って紹介したいと思います。

映画をご覧になり、映像のなかにCARAVAGGIOの光と闇を見ましたら...ぜひ、教えてくださいね。






「オリーヴ園のキリスト」
1603年頃
カンヴァスに油彩 154x222cm#eaf0e6
ベルリンにて焼失

映画の冒頭、捕縛を予知しながらゲッセマネ(オリーブ園)で月光を浴びながら祈るイエス。
眠らないと言っていた弟子たち( ぺテロ・ヨハネ・ヤコブ)は眠りこけている。
  
   



「キリストの捕縛」
1598年
カンヴァスに油彩 133,5 x 169,5 cm
アイルランド国立美術館(ダブリン)


銀貨30枚で師を裏切ったユダ。師への裏切りの接吻は、イエスであることを祭司の捕縛兵に伝える。
  




「聖ペテロの否認」
1610年 
カンヴァスに油彩 94 x 125 cm
シックマン・ギャラリー(ニューヨーク)

三度私を知らないと答えるだろう...というイエスの言葉通り、ペテロはイエスの仲間であることを否認した。
   

  



「キリストの笞打ち」
1607年
カンヴァスに油彩 390 x 260 cm#eaf0e6
国立カポディモンテ美術館(ナポリ)

「円柱のキリスト」
1607年

カンヴァスに油彩 134,5 x 175,5 cm
ルーアン美術館(ルーアン)
祭司たちは捕縛したイエスを嘲笑した後、ローマ総督ピラトの元に連行する。
死刑を求める祭司たちに困惑するも、ピラトはイエスへの尋問のあと、鞭打たせる。






「茨冠のキリスト」
1602-03年
カンヴァスに油彩 178 x 125 cm
貯蓄銀行Cassa di Risparmi (プラート)


「茨冠のキリスト」
アトリビューションに疑問あり(^^;
カンヴァスに油彩, 127 x 165,5 cm
美術史美術館(ウィーン)


キリストを鞭打ったあと、ピラトの兵士達はキリストに緋色の衣を着せ、茨の冠をかぶせ、葦を持たせる。






「エッケ ホモ  この人を見よ」
1606年
カンヴァスに油彩 128 x 103 cm
パラッツォ・ロッソ(ジェノヴァ)


鞭打ちの後、ピラトは、「この人を見よ」と言った。
祭司長たちや下役たちは、イエスを見ると、「十字架につけろ。十字架につけろ」と叫んだ。
ピラトは言った。「あなたたちが引き取って、十字架につけるがよい。わたしはこの男に罪を見いだせない。」




「キリストの埋葬」
1602-03年
カンヴァスに油彩  300 x 203 cm
絵画館(ヴァティカン)


映画では磔刑の後、十字架降下、ピエタと場面は続きますが、残念ながら埋葬のシーンは出てきません。
その後に、感動的な復活のシーンとなります。

2004/05/05 UP


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