IMPRESSION
― 独断と偏見 ―

作品(絵画)

CARAVAGGIOの作品に対する感想・印象です(解説ではありません)。
マイペースで更新していきたいと思っています。
皆様のご感想・印象等もぜひここへ寄せ下さい(^^)

なお、各絵画の解説については「文献一覧」の出版物をご参考ください。



作 品 感       想
     
イサクの犠牲
「イサクの犠牲」
(ウフィッツイ美術館)
 私が真にCARAVAGGIOに惚れたのはこの作品でです。アブラハムが息子イサクを神への犠牲として差し出そうとしている有名な主題ですが、本当にしみじみと観てしまったのです。怯え歪めているイサクの口内の暗紅色を!少年の白い肌と唇、その奥の暗い赤。何という色っぽさでしょう!宗教画に対して不敬だとは思いますが、確信犯的な画家の企みを見たような気がしました。言うまでも無く「イサクの犠牲」は宗教絵画として素晴らしい作品です。ただ私のような邪な人間が勘ぐってしまうだけです(^^;。カラヴァッジオの作品からは敬虔な宗教感と伴に彼の人間臭さが伺えるのです。ルネサンス絵画とは一線を隔する所以です。
       
キリストの埋葬
「キリストの埋葬」
(ヴァティカン絵画館)
 構図・人物達の描写、そし死せるキリスト...文句の無い傑作です。実物を目の前にすると、キリストは今息絶えたばかりで、私には少しぬくもりを残しているような気がする。その身体に注す光...。背後で嘆くマリア達、そしてこちらを眺めるニコデモの視線は私達を射る。背景の深い闇は死の哀しみを苦悩を浮き立たせる。 
 キリス教者ではない私でさえ死を悼み、敬虔な祈りを捧げたくなるようなドラマチックな絵画です。絵の持つ迫力は私をしばらく絵の前に立ち尽くさせました。シロウトの私にさえ傑作だとわかるほどでした。この絵の凄さは画集ではきっと伝わらないと思ので、生で観ていただきたいです。ちなみにCARAVAGGIOの絵画を1枚もらえるとしたら、私はこの絵が欲しい。
               
洗礼者ヨハネの斬首
「洗礼者ヨハネの斬首」
(聖ヨハネ聖堂祈祷堂)

CARAVAGGIOが描いた
最大の作品です。
 有名な「サロメがヘロデ王に洗礼者ヨハネの首を所望する」という新約聖書からの主題です。カラヴァッジオの描くサロメはギュスターヴ・モローやビアズリーとは違って何処にも居そうな女性です。決して高貴でもセクシーでも無い。しかし彼女は母の代理で首を欲している。既に受け皿を持って待ち構えている姿を見ると、聖者の死がより理不尽に感じられる。首から血を流して事切れたばかりの聖ヨハネの青白い肉体が光に照らされて、息を呑むような緊張感が伝わります。牢窓から覗き込む囚人達は私達かもしれない。
 彼の描く聖者の死はリアルでありながら何故か美しく、「キリストの埋葬」を思い出させます。フィレンツェでの修理から戻ったばかりで、画集に見られる黄味よりは青白い透明な光をそこに感じました。首からの血にサインをした画家の意図については様々に言われていますが、やはり「f」は騎士だろうと思います。
 昔マルタ島の聖ヨハネ聖堂祈祷堂には上方に窓があり、そこからの光線を画家は計算していたようです。その窓の当たりを見やれば嘗ての光が偲ばれます。それにしても、聖ヨハネの血で署名された画家のサインを近寄って見れなかったことが残念でなりません(T_T)。



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