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CARAVAGGIO: The Final Years l'ultimo tempo 1606年-1610年 ― 晩年期作品展 ― |
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「CARAVAGGIO : The Final Years」と題して、晩年期作品にスポットを当てた展覧会が、ナポリとロンドンで開かれます。 ナポリのカポディモンテ美術館では、下記の通り2004年10月23日から展覧会が始まりました。 2004年11月初め、展覧会を観てきました。Reportをあわせて紹介したいと思います。 |
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CARAVAGGIO:l'ultimo tempo 1606-1610 期間 : 2004年10月23日〜2005年1月23日 場所 : ![]() 企画展: http://www.caravaggioultimotempo.it/eng/index.html 作品リスト:http://www.caravaggioultimotempo.it/eng/opere_elenco.html CARAVAGGIO: The Final Years 1606-1610 期間 : 2005年2月23日〜5月22日 場所 : ![]() 企画展: http://www.nationalgallery.org.uk/exhibitions/caravaggio/default.htm |
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1606年ローマ、CARAVAGGIOは球技ゲームの争いから人を殺めてしまいます。裁判で死刑を宣告されたCARAVAGGIOはローマを逃れ、当時スペイン領だったナポリ、そしてマルタ島・シチリア島と移り、ナポリを経てポルト・エルコレに漂着しますが、ローマからの恩赦の知らせを待ちながら、マラリアによる死を迎えることになりました。このローマ逃亡から1610年の死に至る晩年期の作品を中心とした展覧会です。 | ||
CARAVAGGIO: l'ultimo tempo 1606-1610 |
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国立カポディモンテ美術館(ナポリ) | カポディモンテ美術館前看板 |
― ナポリ カポディモンテ美術館 展覧会緊急Report ― |
ナポリの街にはCARAVAGGIO展の看板が見られ、市民的にもかなり注目度も高く、タクシー運転手までカポディモンテと言うと「CARAVAGGIO」と言うくらいだった。美術館の中庭から入り口まで、CARAVAGGIO袖看板(?)が道なりに並び、美術館側の盛り上げ方も上手い(笑) 展覧会場には2日間通った。1日目は教師に引率された学生の団体がひっきりなしに往来するという活況を呈した会場風景が見られたが、もちろん大人のグループも多く、この展覧会の人気の程がわかる。しかし、私的には静かに浸って観たかった。という事で、翌日ももちろん通った訳だ(笑)。運良く(?)、2日目は前日よりも団体客が少なめで、心行くまで楽しむことができた(^^) |
作 品 名 | 制 作 年 ・サ イ ズ | 所 蔵 先 | 都 市 | |||||||||||||||||||||
第1室 | ||||||||||||||||||||||||
エマオの晩餐 | 1601 | ナショナルギャラリー | ロンドン | |||||||||||||||||||||
Supper at Emmaus | Oil on canvas | National Gallery | London | |||||||||||||||||||||
La Cena in Emmaus | 139 x 195 cm | National Gallery | Londra | |||||||||||||||||||||
エマオの晩餐 | 1606 | ブレラ美術館 | ミラノ | |||||||||||||||||||||
Supper at Emmaus | Oil on canvas | Pinacoteca di Brera | Milan | |||||||||||||||||||||
La Cena in Emmaus | 141 x 175 cm | Pinacotaca di Brera | Milano | |||||||||||||||||||||
慈悲の七つの行い | 1606 | ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会 | ナポリ | |||||||||||||||||||||
The Seven Acts of Mercy | Oil on canvas | Church of Pio Monte della Misericordia | Naples | |||||||||||||||||||||
La Opere di Misericordia | 390 x 260 cm | Chiesa del Pio Monte di Misericordia | Napoli | |||||||||||||||||||||
キリストの笞打ち | 1607 | カポディモンテ国立美術館 | ナポリ | |||||||||||||||||||||
Flagellation | Oil on canvas | Museo Nazionale di Capodimonte | Naples | |||||||||||||||||||||
Flagellazione | 390 x 260 cm | Museo Nazionale di Capodimonte | Napoli | |||||||||||||||||||||
円柱のキリスト (ティツィアーノ) | Oil on canvas | 個人蔵 | ジェノヴァ | |||||||||||||||||||||
Christ at the Column | Private collection | Genoa | ||||||||||||||||||||||
Crist alla colonna(Tiziano Vecellio) | Collezione privata,gia | Genova | ||||||||||||||||||||||
聖アンデレの磔刑 | 1607頃 | クリーヴランド美術館 | クリーヴランド | |||||||||||||||||||||
The Crucifixion of St Andrew | Oil on canvas | Museum of Art | Cleveland | |||||||||||||||||||||
Crocifissione di Sant'Andrea | 202,5 x 152,7 cm | Museum of Art | Cleveland | |||||||||||||||||||||
CARAVAGGIOの肖像画の展示されている入口から展覧会場に入場するや、右手壁に並ぶ2枚の「エマオの晩餐」が目に飛び込む。左にブレラ作品、右にロンドン作品だ。それぞれ別々で観た2枚を並べて観るのは壮観だ!これだけでも来た甲斐があると言うものだ。ロンドン作品の丹念な筆致と色彩溢れる画面は輝きを放っている。過剰なまでの技法の洪水が溌剌としたエネルギーとなって気持ち良い。このロンドンの生気に満ちた画面構成をそのまま移行したようなその隣のブレラ作品は、しかしながら、褐色を基調とした内省的な静けさに満ちて、CARAVAGGIOの心の移ろいをも映しているようだ。2枚並べて眺めると、右の動と左の静が際立つように感じられる。キリストであることに気がついた驚きと、集中、その一瞬の時の流れがCARAVAGGIOの身にとってはあまりにも皮肉な時の大きな隔たりとなっている。ブレラ作品のキリストはその表情の静謐さ故にどこか深く惹き込まれてしまう。 尚、2004年夏のNYメトロポリタン美術館「Realityの画家たち展」ではロンドン「エマオ」とピッティ「歯抜き」が並んで展示されていた。帰属問題で議論されている「歯抜き」の画面の保存状態は悪く、絵画自体の質もCARAVAGGIO作品としては決して良いとは言えない。が、驚くことに画面構成が良く似ているのだ。祝福する手と苦痛の手の短縮法の相似も興味深い。世俗画としての野卑な側面を強調する解説が多いが、ド・シロートは2枚の絵を眺めながら、もしかして歯を抜かれる男はキリストの受難の暗喩、通じて画家自身の自嘲ではないだろうかと勘ぐってしまった(^^;;
<参考Report:ロンドン篇・カラヴァッジョ展> エマオの壁から右を見る。入口すぐ左手壁にはクリーヴランドの「聖アンデレ」だ。十字架上のアンデレの目に涙を見た。この作品の素晴らしさは立体的な画面構成を狙っていることにあるような気がする。画面向かって右の兵士の甲冑肘の光沢が、観る者に向かって飛び出しているように錯覚させるトロンプイユ効果を創出している。CARAVAGGIO特有のスポットライト光を効果的当てながら襞のように奥行きを与える。左老婆の写実的でありながらやや沈んだ色調には意外な後退感があり、老婆、中央十字架の聖アンデレと後ろ向きの男、耳を浮かび上がらせる男、そして右手前面の甲冑兵士と、奥行きの漸進法とも言うべき効果が臨場感溢れる画面として描かれている。CARAVAGGIOの凄さはその技巧を超え、やはり聖アンデレの表情を描き尽くしているところにある。ちなみに闇に沈む部分は結構手を抜いている(^^; 「聖アンデレ」の右側壁であり「エマオ」2枚並対面の壁にはミゼリコルディアの祭壇画「慈悲の七つの行い」が圧倒的迫力の大画面でど〜んと迫ってくる。教会では祭壇画として少し離れた位置から観たのだが、作品として目の前にあると予想以上の大きさと渦巻く熱気に驚く。多数の登場人物を交通整理する手腕は凄い。ローマからナポリへと逃れてから日が浅い画家は未だ精力に満ちていたに違いない。人物像に落ちる光の交錯する様はルーヴルの「聖母の死」を想起させる。ペロはウィーンで観たばかりの「ロザリオの聖母」のモデルと同一人物だろう。天井の聖母子と天使たちの空間が不思議な美しさに満ちている。作品として観て、改めて凄い作品だと思った。展覧会期間中不在のミセリコルディア教会は寂しいに違いない。 <参考:Reportナポリ篇> 「ミゼリコルディア」の右壁であり「聖アンデレ」の対面壁には、左「キリストの笞打ち」と右ティツィアーノ「円柱のキリスト」が並ぶ。前回このカポディモンテ特別室(!)のスポットライトで観た「笞打ち」は、今回明るい照明の下で他作品と並んでいた。身をよじるキリストのミケランジェロ的美丈夫な筋肉表現はCARAVAGGIOとしてはこの時期特有のものかもしれない。ルーアン作品を想起した。キリストの顔を背けた沈痛な表情と相変わらず笞打ちの役人たちは憎たらしげな表情描写が良い。サド・マゾ感がある(^^;。キリストを縛る向かって右側の男の額の光は印象的だ。この光のスポットライト効果は「聖アンデレ」へと続くのだろう。しかし、前回観た時の美術館スポットライトは今回以上に効果的で素晴らしかった...。展覧会後はまた戻るのだろう。なお、「笞打ち」の詳細な感想は<Report:ナポリ篇>を参照いただきたい。 この「笞打ち」のキリストは目を伏せているが、隣に並ぶ参考作品であるティツィアーノ「円柱のキリスト」は上目で、グイド・レニ作品に良く見られるが、神との対話か?作品制作時期はダブリンの目を伏せる「エッケ・ホモ」より遡るだろうが似ている作品だ。CARAVAGGIO作品を観ていると、ロンバルディアの画家たちからだけではなく、ベネチア派の巨匠テツィアーノの影響を感じることが多々ある。展覧会の企画者側としてはそれを強調したかったのだろうが、ルーアンの「円柱のキリスト」と並べれば、より効果的だったと思う。ちなみに、ゲストのRUNさんも同調されていたが、ティツィアーノもサド・マゾっぽい(笑) それにしても、第1室は第1次ナポリ滞在からマルタ滞在期の1606年-1607年ごろ作品なので、まだCARAVAGGIOの気力が満ちた仕事ぶりが堪能でき、流石に傑作中心の充実の展示内容だった。、 |
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第2室 | ||||||||||||||||||||||||
眠るアモル | 1608 | ピッティ美術館 | フィレンツェ | |||||||||||||||||||||
Sleeping Cupid | Oil on canvas | Galleria Palatina (Palazzo Pitti) | Florence | |||||||||||||||||||||
Amorino Dormiente | 71 x 105 cm | Galleria Palatina di Palazzo Pitti | Firenze | |||||||||||||||||||||
マルタ騎士団員の肖像 | 1608 | ピッティ美術館 | フィレンツェ | |||||||||||||||||||||
Portrait of Alof de Wignacourt | Oil on canvas | Galleria Palatina (Palazzo Pitti) | Florence | |||||||||||||||||||||
Ritratto di un Cavaliere di Malta | 118,5 x 95,5 cm | Galleria Palatina di Palazzo Pitti | Firenze | |||||||||||||||||||||
聖女ルキアの埋葬 | 1608 | ベッローモ美術館 | シラクサ | |||||||||||||||||||||
Burial of St Lucy | Oil on canvas | Bellamo Museum | Syracuse | |||||||||||||||||||||
Seppeliment di Santa Lucia | 408 x 300 cm | Museo Bellomo | Siracusa | |||||||||||||||||||||
ラザロの蘇生 | 1609 | シチリア州立美術館 | メッシーナ | |||||||||||||||||||||
The Raising of Lazarus | Oil on canvas | Museo Regionale | Messina | |||||||||||||||||||||
Resurrezione di Lazzaro | 380 x 275 cm | Galleria Regionale della Scilia | Messina | |||||||||||||||||||||
羊飼いの礼拝 | 1609 | シチリア州立美術館 | メッシーナ | |||||||||||||||||||||
doration of the Shepherds | Oil on canvas | Museo Regionale | Messina | |||||||||||||||||||||
Adorazione dei pastori | 314 x 211 cm | Galleria Regionale della Scilia | Messina | |||||||||||||||||||||
第2室に入ると、すぐの右側壁には、左「マルタ騎士の肖像」、右「眠るアモル」が並べて展示されていた。両作品ともフィレンツェのピッティ美術館パラティーナ絵画館所蔵である。 「マルタ騎士の肖像」は以前には騎士団長アロフ・ド・ヴィニャクールの肖像と見なされていたが、近年メッシーナ支部長アントニオ・マルテッリであることがわかった("The Identity of Caravaggio's'Knight of Malta" Burlington Magazine)。イタリア人っぽくずんぐり体形の騎士である。マルタ十字の白が光を撥ね返し印象的だ。間近で見ると筆のタッチがやや粗そうに思えたが、離れて見ると質感を上手く出しているのがさすがである。剣の逆光を描写する線状の筆致に「ああ、CARAVAGGIOだ…」と妙に納得してしまった(^^;;。ちなみに、手はちょっと手抜きだけれど(笑)。 「眠るアモル」は眠っている幼児をそのまま描写したような感じを受ける。箙を枕にした肩や腕の付け根、下腹部のくびれなど、皺がなんともリアルだ。可愛らしいはずのアモルがどことなく陰鬱なのは背後の深い闇と、差し込む光が黄昏色だからかもしれない。アモルの束の間の眠りが何故か永遠の眠りのような気がする。ちなみに、幼児の死体を描いた説もあるようだが本当だろうか?
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第3室 | ||||||||||||||||||||||||
瞑想の聖フランチェスコ | 1606 | 市立ポンツォーネ絵画館 | クレモナ | |||||||||||||||||||||
St Francis | Oil on canvas | Pinacoteca, Cremona | Cremona | |||||||||||||||||||||
San Francesco in meditazione | 130 x 190 cm | Museo Civico ”Ala Ponzone” Pinacoteca | Cremona | |||||||||||||||||||||
受胎告知 | 1608-09 | ナンシー美術館 | ナンシー | |||||||||||||||||||||
The Annunciation | Oil on canvas | Musee des Beaux-Arts | Nancy | |||||||||||||||||||||
Annunciazione | 285 x 205 cm | Musee des Beaux-Arts | Nancy | |||||||||||||||||||||
洗礼者の首を持つサロメ(新帰属提案作品) | 個人蔵 | |||||||||||||||||||||||
Salome with the Head of St John the Baptist | Oil on canvas | Private collection | ||||||||||||||||||||||
Salome con la testa di Giovanni nel bancino | 91.8 x71.5cm | Collezione privata | ||||||||||||||||||||||
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第4室 | ||||||||||||||||||||||||
洗礼者の首を持つサロメ | 1609 | 王宮 | マドリード | |||||||||||||||||||||
Salome with the Head of St John the Baptist | Oil on canvas | Royal Palace | Madrid | |||||||||||||||||||||
Salome riseve la testa del Battista | 116 x 140 cm | Palazzo Reale | Madrid | |||||||||||||||||||||
洗礼者の首を持つサロメ | 1607頃 | ナショナルギャラリー | ロンドン | |||||||||||||||||||||
Salome with the Head of St John the Baptist | Oil on canvas | National Gallery | London | |||||||||||||||||||||
Salome riseve la testa del Battista | 90,5 x 167 cm | National Gallery | Londra | |||||||||||||||||||||
ゴリアテの首を持つダヴィデ | 1609-10 | ボルゲーゼ美術館 | ローマ | |||||||||||||||||||||
David with the head of Goliath | Oil on canvas | Galleria Borghese | Rome | |||||||||||||||||||||
David con la testa di Golia | 125 x 101 cm | Galleria Borghese | Roma | |||||||||||||||||||||
洗礼者聖ヨハネ | 1610 | ボルゲーゼ美術館 | ローマ | |||||||||||||||||||||
St John the Baptist | Oil on canvas | Galleria Borghese | Rome | |||||||||||||||||||||
San Giovanni Battista | 159 x 124 cm | Galleria Borghese | Roma | |||||||||||||||||||||
聖ペテロの否認 | 1610 | メトロポリタン美術館 | ニューヨーク | |||||||||||||||||||||
The Denial of St Peter | Oil on canvas | The Metropolitan Museum of Art | New York | |||||||||||||||||||||
Negazione di Pietro | 94 x 125 cm | The Metropolitan Museum of Art | New York | |||||||||||||||||||||
聖女ウルスラの殉教 | 1610 | イタリア商業銀行コレクション | ナポリ | |||||||||||||||||||||
The Martyrdom of St Ursula | Oil on canvas | Banca Commerciale Italiana | Naples | |||||||||||||||||||||
Martirio di Sant'Orsola | 154 x 178 cm | Palazzo Zevallos,Collezione Banca Intesa | Napoli | |||||||||||||||||||||
休憩コーナー |
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「洗礼者聖ヨハネの斬首」(ヴァレッタ・聖ヨハネ大聖堂) 実物大写真パネル |
「円柱のキリスト」(ルーアン美術館)と「聖ヒエロニムス」(聖ヨハネ大聖堂) 実物大写真パネル |
右のモニターではCARAVAGGIO全作品検索や、イタリアのCARAVAGGIOTV番組映像が見られた。
また、前方の丸テーブルには図録が置いてあり、休憩しながら読むことができる。ちなみに、絵画を展示している部屋には椅子は置いていない。
休憩コーナー(実物大写真パネル) | |||
洗礼者聖ヨハネの斬首 | 1607 | 聖ヨハネ聖堂美術館 | ヴァレッタ |
Beheading of Saint John the Baptist | 361 x 520 cm | St John Museum | Valletta |
聖ヒエロニムス | 1607 | 聖ヨハネ聖堂美術館 | ヴァレッタ |
St Jerome | 117 x 157 cm | St John Museum | Valletta |
円柱のキリスト | 1607 | ルーアン美術館 | ルーアン |
Christ at the Column | 134,5 x 175,5 cm | Musee des Beaux-Arts | Rouen |
休憩コーナーには何と実物大写真パネルが3点展示されていた!ナポリからマルタ島へ渡ったCARAVAGGIOがヴァレッタを根拠地としていた聖ヨハネ騎士団の聖ヨハネ大聖堂のために描いた「洗礼者聖ヨハネの斬首」、騎士団長アロフ・ド・ヴィニャクールをモデルにしたと言われる「聖ヒエロニムス」、それにルーアン美術館にある「円柱のキリスト」の3作品である。 注目すべきは「洗礼者聖ヨハネの斬首」であり、これは展示されている絵画館兼の祈祷堂奥の壁にあり、祈祷台とロープで仕切られているので一般人は絵の前に近寄れないのだ(T_T)。よって、有名な首からの血を描いた筆で記した「fra.Michera...」のサインは肉眼で観察できない。ところが、今回の写真パネルでは、その首からの血とサインがしっかりとわかる。これは収穫だった。今回のパネル自体の写真は黄ばんでいるが、実際マルタで観た時は修復を終えたばかりで清冽な青味を帯びたような白色光を感じたものだった。 やはり、後の2枚も実物の姿を写せないのは仕方が無いが、実物の大きさが実感できることは重要である。それにしても、聖ヨハネ聖堂が貸出しをしないのは理解できるが、ナンシー美術館が貸出しをして、ルーアン美術館がしなかったのは何故だろう?カポディモンテの「キリストの笞打ち」と「円柱のキリスト」を並べて観たかったのに...。 <参考Report:マルタ篇 (ルーアンは未だ(^^;;)> |
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参考:ルーアン美術館の「円柱のキリスト」 ピンボケです(^^;; (マルタでは自動フラッシュのカメラしか持参しなかったので写真が撮れませんでした(涙)) |
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第5室(新帰属提案作品) | ||||
祈る聖フランチェスコ | 1606 | バルベリーニ絵画館 | ローマ | |
St Francis in meditation | Oil on canvas | Galleria Nazionale d’Arte Antica of Palazzo Barberini | Rome | |
San Francesco in meditazione | 125 x 93 cm | la Galleria Nazionale d’Arte Antica di Palazzo Barberini | Roma | |
井戸端の洗礼者ヨハネ | 個人蔵 | ローマ | ||
St John the Baptist at the Well | Private collection | Rome | ||
San Giovannino alla sorgente | collezione privata | Roma | ||
井戸端の洗礼者ヨハネと子羊 | 個人蔵 | |||
St John the Baptist at the Well with a lamb | Private collection | |||
San Giovannino alla sorgente con agnello | collezione privata | |||
エッケ ホモ | 個人蔵 | |||
Ecce Homo | Private collection | |||
Ecce Homo | Collezione privata | |||
第6室(失われたCARAVAGGIO作品のコピー) | ||||
法悦のマグダラのマリア | 17世紀作品 | ボルドー美術館 | ボルドー | |
Magdalene in ectasy-Unknown author of the 17th century | Musee des Beaux Arts | Bordeaux | ||
Maddalena in estasi-Ignoto del XVII secolo | Musee des Beaux Arts | Bordeaux | ||
法悦のマグダラのマリア | 個人蔵 | バルセロナ | ||
Magdalene in ecstasy-Wybrandt de Geest - | private collection | Barcelona | ||
Maddalena in estasi-Wybrandt de Geest | collezione privata | Barcellona | ||
ユディットとホルフェルネス | 17世紀作品 | ピニャテッリ美術館 | ナポリ | |
Judith and Holofernes-Unknown author of the 17th century | Museo Pignatelli - Sanpaolo Banco di Napoli collection | Naples | ||
Giuditta e Oloferne-Ignoto del XVII secolo | Museo Pignatelli - collezione Sanpaolo Banco di Napoli | Napoli | ||
聖フランチェスコと聖ロレンツォのいる生誕(パレルモの生誕) | パオロ・ゲラーチ作品 | カターニャ市立美術館 | カターニャ | |
Nativity with Saints Francis and Lawrence-Paolo Geraci | Museo Civico di Castello Ursino | Catania | ||
Nativita con i Santi Lorenzo e Francesco-Paolo Geraci | Museo Civico di Castello Ursino | Catania | ||
2004/11/14更新
2004/10/22 UP